最近読んだ本、「バイナル・カスライン」上、下。
「バイナル・カスライン」。 ナギーブ・マフフーズ 著。 あじあん すべてはアッラーの思し召しなのだ。 前に、この作家の「ミダック横町」という本を読んで、とても惹きつけられた。わしの好きなアジアの混沌がたちあがってくるような人々の描写が良い感じであった。 その時に、この作家がノーベル賞をもらうきっかけになった超有名な三部作があるというのを知って興味を抱いた。その1がこれである。 カイロの誰もが知る「 […]
「バイナル・カスライン」。 ナギーブ・マフフーズ 著。 あじあん すべてはアッラーの思し召しなのだ。 前に、この作家の「ミダック横町」という本を読んで、とても惹きつけられた。わしの好きなアジアの混沌がたちあがってくるような人々の描写が良い感じであった。 その時に、この作家がノーベル賞をもらうきっかけになった超有名な三部作があるというのを知って興味を抱いた。その1がこれである。 カイロの誰もが知る「 […]
「楊花の歌」 青波 杏著。 あじあん 1941年廈門から。 1941年は太平洋戦争が始まった年である。 私は上野で生まれた。7歳で広島へ、それから台湾へ渡ってまた広島、そして家が傾き大阪の松島遊廓に売られた。京町楼にスミカありと言われた女。 三善先生と呼ばれる売れない小説家が私を気に入った。居続けしては娘のおせんちゃんが迎えに。 そんなある日、先生が特高に連れていかれた。あらかじめ […]
われら闇より天を見る クリス・ウィタカー著。 あじあん ダッチェスの哀しみが心を打つ。 読み終わってから初めてこの本がミステリーであったと気がついた。 謎解きよりももっともっと心惹かれる話がここにあった。 カリフォルニア、カブリロ・ハイウェイ、ケープ・ヘィヴンから先のあの完璧な数キロ、瞬きするたびに絶景が見えるので、国の反対側から人々がやってきては家を買い1年のうち10ヶ月は空き家にしておく。そん […]
「ミダック横町」 ナギーブ・マフフーズ著 あじあん カイロの下街にかってこんな風景があった。 貧しい人たちの吹き溜まりのような横町? 時代に取り残されてはいるが、昔ながらの人情と濃厚な人間関係が漂うミダック横町。 横町の朝は、喫茶店「キルシャ亭」から始まる。常連さんの憩いの場だ。 いつものメンバーが集まってくる。八つあん熊さんがやってくる。御隠居さんもくる。ヤブ医者も来る。社長もくる。なんか分か […]
「失われた岬」 篠田節子 著 あじあん 「さとり」とは、「不老不死」とは。 第1章 冬の旅 理想の夫婦、プロの主婦、松浦美都子にとって、栂原清花はそんな女性に見えた。彼女たち夫婦との交流はとても心豊かにしてくれるものだった。それがある日突然途絶えた。 予兆はあった。いつの間にか彼らの生活が変わった。モノがどんどんなくなっていく。金がなくなった? あまりにも質素な暮らしに? 大事にしてた犬までいなく […]