「小説」
野﨑まど 著。
君はなぜ小説を読む? 読むだけじゃだめなのか。
内海集司、小学校6年生。
何故か本を読むのが好きになった。本を読んだら褒められる?
そのうち楽しみは本しか。
本を読むためだけの暮らし。読めば読むほど面白い。次々のひたすら読む。
何でもかんでも。友達も要らない。遊びも要らない。
それでも友達はできた。やっぱり本が繋いでくれた。
外崎真という。
わしも本を読むのが好きだ。内海集司ほどではないけど、気持ちはよくわかる。
何となくこの物語、親近感が起きる。
彼らの近くに妖しい屋敷がある。古い木造の大邸宅だ。有名な小説家が住んでいると言う噂がある。しかし、それが誰か、何と言う小説家であるか誰も知らない。
謎の男。謎の家。幽霊屋敷かもしれない。
そんな噂もある。
しかし、なぜか、集司と真は出入りを許された。
そこには本がある。それも膨大な数だ。いくらでもある。
しかも読み放題。どれでも許可なく読んでも良いという。
太宰治、芥川龍之介・・・
髭男が住んでる家。モジャ屋敷。
なんだか、不思議がいっぱい。探検してみたい。
ある日、冒険。屋敷には地下室がある。
奥へ、奥へ。そこに何があったのか? 驚くべき発見が?
とても面白い。
真は本を読むだけではなくて、書けるみたい。
僕が読んで、真が書く・・・・?
学校には不思議な先生がいる。
宇宙物理学の専門家みたい。
とても面白い。
高校受験作戦・・・・
留年の危機・・・
とても面白い。
宇宙のエントロピーは・・?
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ半。
「海風クラブ」
呉明益 著。
「どうしてわたしを巨人の心に連れてきたの? ウゥウゥ、巨人が死にそうだから。どうして?」
呉明益、わしの大好きな作家。
「歩道橋の魔術師」以来、ずっと追っかけてる。「自転車泥棒」、よかったなあ。
「雨の島」、「眠りの航路」・・
どれもよかった。
独自の視点。優しい感性。自然との共生・・・いろいろ。
この本は、花蓮や太魯閣峡谷のあたりが舞台みたい。
とても良いところだ。
険しい山や渓谷、厳しい自然環境、しかも海も近い。
白い犬と少年。犬はイーダス、少年はドゥヌ。少数民族の村に暮らす。
少女。村の中でも最も美しい少女、秀子シュヅ。
彼女は心配だ。父が私を売ろうとしてる。貧しい家庭、臭蛇のような匂いのする男がきた。あの男か?
少年は犬を追ううちにいつのまにか、洞窟に入っていた。
少女は山の反対側から。人買いから逃れるため奥へ奥へと進む。
そんな深い洞窟があるのか? 遠く離れた村と村とを結ぶような・・・
それは実は巨人の体の中?
実はあの聳り立つ山が巨人の体、そのものではないのか。
そして、二人は出会った。
いつまでもここに隠れていよう。そうはいかない。
良い考えがある。お互いが反対の方向に出ていこう。少年は少女の来た方へ。少女は少年が来た方へ。そしたら、お互いの場所がわかる。
何か身に付けてる大事なモノを交換しよう。
そして・・・
行くへ不明で大騒ぎの村に帰った二人の運命は・・・・
それぞれが過酷な道をたどる?・・
この地にはまだ精霊がいるのか。山は巨人が守っているのか?
生き残った最後の巨人ダナマイは?・・・・
村は大きく変わっていく。
原住民と漢人たち。
街まで出て、何かを成し遂げようとする若者たち・・・
夢破れて帰ってくるものたち・・
そして、セメント工場の話が持ち上がった。
周辺の村に何をもたらすのか?
大いなる夢か? 富と仕事。発展?
目先の利益に踊らされる人たち。
とても面白い。
「海風クラブ」に集まろう。まやかしの夢を売るやつらに反撃しよう。
カラオケで気勢を上げる。
村は大騒ぎ。つかのまの現金に釣られて、つぎつぎと土地を譲り渡していく人たち。
われらは負けない?
蟹食いマングースは3本足になってしまった。
巨人はもう息絶え絶え。
山が滅びる?
工場騒ぎで残ったものは?
こころの傷跡。
そして台風が・・・・
たくましい女たち。
心揺さぶられる。
わしの勝手なおすすめ度。
星五つ。
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