最近読んだ本、「五葉のまつり」、「大人のための残酷童話」。

  • 2025年1月31日
  • 12人

「五葉のまつり」

今村翔吾 著

あじあん

「戰だけが闘いの場じゃない」、企業戦士的さむらい達の群像。

なるほどこう来たか。
戦国モノ、幕末モノはとても人気が高いし、知った名前がいっぱいでてくるんで読みやすい。
親しみやすい。
わしも大好きだ。
みなさんカッコいい。
秀吉の躍進を支えた5人の奉行達。
石田三成、増田長盛、長塚正家、浅野長政、前田玄以。
それに大谷吉継たち。増えたり減ったり。
石田は行政、増田は土木、長塚は財政、浅野は司法、前田は宗教。
そういう役職があったわけではない。得意が役割を決めていく。
下克上の戦国時代、それぞれがポジションをゲットできたのにはワケがある。
親分たちの城取り物語とは違った、おもしろさがあってとても新鮮だ。
いつの時代も、地位が人柄を決めたり、役割が人の価値を決めたり、そんな場合もないではない。
仕事のなかで彼らは育っていく。
わけわからん暴君であっても、権力第一人者、その人の命令は重いし、やりがいもある。
朝から晩まで、夜も寝ないで、身をすり減らして働く。
なんだか、バブルの頃の企業戦士の話を読んでるみたい。
真っ只中であくせくしてたワシらには、わかりやすい。
えらくおもろいやんか。
という始まりであった。
しかし、後半なんだかちょっと飽きてきた?
なんでやろ?
ちと躍動感が?
ワクワクが?
わしも集中力が衰えた。

本がおもろないんか? 彼らの人生がおもろないんか?

 

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星三つ半。

「大人のための残酷童話」

倉橋由美子 著。

あじあん

「愚かな人間が幸福になることはありません」白雪姫。「人は下半身には恋しないものです」人魚の涙。

書棚を見てたら随分古い本を見つけた。
この人の「大人のための怪奇掌篇」はとても面白かった。
全くの創作怪奇短編集。とてもシュールでとても怖い。とても面白い。
エスプリが効いている。
この本は、よくある童話の話をベースにした短編集。
人魚の涙
一寸法師の恋
白雪姫
世界の果ての泉
血で染めたドレス
鏡を見た王女
・・・・・・
よく知ってる童話がこんな話に変わるのか。
これは素晴らしい。
とてもビターでとても妖しい。
エロチックでユーモアがある。
シュールで残酷でもある。
ええですな。文章の感性がすばらしい。
一つ一つの物語の末に「教訓」がついてる。
これまた、エエではないですか。
オチのようで、余韻のようで。
山下清澄の銅版画がまた素晴らしい。
とてもエエ本でした。

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星五つ。

あじあん

ブログランキングに参加していますよかったらポチンとお願いいたします。

にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村