九度山暮らしのある日、スキットル、役に立たへんようでも気にってる。

スキットル、役に立たへんようでも気にってる。

手元にスキットルなるものがある。
旅行に行ったり、山に登ったり、アウトドアで何かしたりする時に使う用に酒を
入れていくためのものだ。
便利なようで便利でない。
でも、見た目にカッコいい? とわしは思う。

酒を入れていくだけやったら、ペットボトルや小型の水筒でええやないか?
わしもそう思う。

でも、見た目にはカッコ良いと思う。
酒は、200ml程度しか入らない。1合強程度だ。そやから、強い酒を入れる必要がある。
前はウィスキーを入れてた。一番基本的な使い方だ。
ずっと昔、イキガッて社員旅行にこれを持って行ったことがある。
1日かけてのバス旅行だ。ええ時代だ。
動き始めたらもう宴会が始まってる。一番うしろのおっさん席に混ざってしまったのが
運の尽きだった。先輩たちのあいだで缶ビールが次々に空いていく。
わしは、そんなにイケる口ではないけど、知らん顔もできへんので程々に付き合う。
それでも道中は長い。
だんだん酔っ払って来た。
わしも調子にのってきて、これを取り出した。
ある先輩が、「ええ飲み方教えたるわ」って言うて、それを取り上げて、缶ビールの
飲み口のところからポタポタと少々注ぎ入れた。
「こうやったら、缶ビールが格段に美味くなる」と言うのだ。
飲兵衛にとっては当たり前かもしれんけど、わしは初心者だ。
何か別世界に入ったような気がした。
確かに美味い。キツイけど美味い。
しかし、その分、酔は早い。あっと言う間に出来上がってしまった。
着いたらボロボロだった。
ちょっとのボトルでも使いみちがある。
恐ろしい。
それから何年か立ったとき。
ある、地元の会合で、それは夜遅くまでかかるのが常で、それが終わったら更に
ダラダラと一杯やるのが常のものであったんやけど、そこで飲んでた時、
たまたまそういう話が出た。というか出した。
そこでも、飲兵衛さんたちばっかりの集いやったんで、たちまち、聞きとがめられて、
その時は、ビールを飲んでたんやけど、ある人が、「ビールを焼酎で割ったら美味しいんやで」
って教えてくれた。
割るって普通、薄めるって言うほどの意味ではないかと思ってたんやけど、
これって、単に足してるだけとちゃうやろか?と思ったりした。
それでもやっぱり、結構美味い。もちろん、言われるとおりにしてたらすぐに
深酔いしてしまう。
飲兵衛さんたちは、妖しげな混ぜ飲みが好きらしい。
さて、ちょっと外で、これを出して、映画のシーンみたいに、ちびちびとウィスキーなんかを
すすってたらカッコええやんと思ったりするけど、
飲んでるのが目立ってはいけない場所も沢山ある。
酒瓶を持ち込むわけにもいかんし、こんなやつに入れてコソコソ飲んでも目立つだけやし
なんて悩ましい時もある。
「そんなん、ペットボトルに入れていったらええやん」なんて目からウロコのやり方を
教えてくれた人がいる。「水筒でもええで」って。
なるほど、これで飲んでても誰も酒とは思わへん。
至近距離で匂いを嗅いだりせんかぎりはわからへん。
極穏やかに水など飲みながら歓談してる風ではないか。
なんと優雅なことではないか。
ただの酔っ払い製造機なのに。
スキットルなんか持ち出して、男のこだわりグッズやなんてイキガッたりしてる場合ではない。
飲兵衛さんには端倪すべからざる発想がある。
すごいなあ。
でも、やっぱりわしはこれがええなあって思う。
手術以来、アルコール吸収力もめっきり弱ってるんで、中身は日本酒だ。
悲しいなあ。

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ありがとうございました。