九度山暮らしのある日、ある日、突然、ガン患者になってしまった話−38、癌より怖い交通事故。

癌より怖い交通事故。

ある日、九度山から関空に行く用があった。遠いようやけで意外と近い。開通した
京奈和自動車道を使って、根来で降りて風吹峠を越えて1時間弱だ。車やととても便利だ。
京奈和道は東西に走ってるんで、ちょうど真西に向かう感じだ。おりしも日が沈む17時
すぎの話。夕陽が正面低くまともに顔面を照らす。とても前が見え難い。サンバイザーを
おろしてそのあいだから前方を覗いつつ走る。
それでも見え難いんで車間距離を長くとりつつ走る。
道は見通しの悪い登り坂に差し掛かった。すぐにてっぺんがあるんでその向こうが見えへん。
そのうち車の動きが止まったように見えた。こんな時にこんなとこで止まるなんて
あり得へんと思いつつもブレーキを踏む。前のほうで完全に止まってるみたい。
わしの車も止まる。
一瞬、こんな状況ってヤバいんとちゃうやろかと思う。
もしかしたら後ろの車も前が見え難い? そのままぶつかられたらひとたまりもない。
高速で急に渋滞したとき、後ろから来たトラックに潰されてる事故の映像が頭をよぎった。
あんなになったらかなわん。
おもわず後ろを振り返った、その瞬間、鈍い音がして車の影が左後ろに見えた。
事態を理解してゾッとした。
後ろの車が突然車列が止まったのに気が付かず、目の前にわしの車が迫ったんで
慌ててハンドルを左に切ったんやと思う。幸い左側には側道があって、その境目には
ポールが何本も立ってるんやけどプラスチック製やから車が壊れずにその側道に入り込めたんやと
思う。
一瞬の出来事やった。
なんと恐ろしい。
けっこう大きいワンボックスカーみたいやんか。まかり間違えばモロに追突されてる。
トラックやなくてよかった。
ぶつけられなくてよかった。
アテられた衝撃はないんで多分当たってない。
後ろの車も壊れてはないみたいだ。
じきに車列が動きだしたんで、わしも車をだす。
後ろの車も動きだした。
とりあえずよかったと思う。
癌では死なんかったのに、けったいな貰い事故で死んだらたまらんやないか。
心が震えつつゆっくり、車間距離を大きくあけて走る。
あいかわらず前は見辛い。
後ろの車もゆっくり走ってる。きっとわし以上に心が震えてはるやろ。
車間距離が相当長くなってる。
正面の夕陽はあいかわらずギラギラ光ってはる。
合流地点ではけっこう気いつかう。
根来の分岐まできてやっと道をそれ風吹峠を走る。ここから先は快調だ。
あっという間に関空に着いた。
関空に入ったら第2ターミナルに向かう。LCCの発着場だ。けっこうややこしい。
やっぱり夕陽の中、道路の標識が見辛い。
グルグルまわってやっと到着。

このあたりの関空の景色ってけっこうええやんかって思う。
関空橋を渡る時も夕陽に染まってとても美しかったけど、止まって写真を撮る
わけにはいかんかった。いろんなとこに事故の元が待ってる。
せっかく癌から抜け出したんやから我が身を大事にしよう。
気いつけてもどうもならんときもあるけどね。

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ありがとうございました。