九度山暮らしのある日、えらいこっちゃ友人が肺がんの手術に。

えらいこっちゃ友人が肺がんの手術に。

ある日、学生時代の友人から衝撃のメールがきた。
肺がんの疑いで手術を受けることになった。命に別状はないと思うけど何かあったら後は
よろしく頼む。
なんちゅうこっちゃ。
健康診断で肺がんの疑いがあると言われ、精密検査をやってきたけどやっぱり
疑いは晴れないんで、強い疑いの下とりあえず開腹してみるということらしい。
問題なければ、そのまま閉じて一件落着。問題あれば、そのまま手術、最小限で
1/6ほどを取り除くことになるやろうということらしい。
えらいこっちゃ。
しかし、冷静になってよう考えたら、わしらはもう70代に突入してる。何が起きても
何の不思議もない。もちろん訃報がきてもおかしくないし、癌であろうが脳卒中で
あろうが、糖尿病であろうがなんでもありえる。
そういう歳だ。
だからといって健康に留意した暮らしができてるわけでもない。日々の暮らしで
支障がないのを幸い何の根拠もなく自分だけは丈夫な体やと信じてるけど、知らん間に
体の奥のほうで何かやっかいな虫が育ってるかもしれんのだ。そやから心のどっかに
不安がないではない。
なんかするのは面倒くさい、まあええかの中にこういう知らせが飛び込んでくると
それなりに動揺したりする。手術で切ったら痛いやろなあ、嫌やなあって思う。
まあとりあえず見舞いに行こう。
友人たちと連絡をとってとりあえず2人で行くことに。
そのうち、手術完了のメールがきた。メールできるくらいやから最悪に事態ではない。
悪性ではあった、切除手術はしたけど、最小限ですんだということらしい。それでも
3,4時間で終わるよって言われてたやつが7時間もかかったらしい。
昨日まで健康でワーワー言うとったやつが一瞬で病人になってしまう。
恐ろしいもんだ。
病院は滋賀病院。アクセスはJR石山駅からバス。土日は便がないか、極端に少ないか。
えらく行きにくい。歩いた方がましとちゃうやろか?
帰りはバスがなさそうなんで歩いて帰ったけど。
で、面会室で久しぶりの同窓会。

琵琶湖が見られて景色がええし、話が弾む。
あいつはどうした。こいつはどうしてる?
それにしてもなんで肺がんなんかになったんやろ? やっぱりタバコの吸い過ぎやで。
お前に言われたないわ。あんなに吸うてたくせに。
確かに一時は一日ピー缶一つ分吸ってた。
しかしもうやめて40年ほど経つ。時々酒を飲んだ時なんかに冗談半分で吸ってたけど
最近は吸う気がしない。けど、それでも無罪放免ということではないかもしれん。
ちょっとギクッとなる。
やっぱりタバコは肺がんのリスクが高いのだ。
本人も大手術を受けたわりには元気そうだ。
怖いなあ。
それにしてもわしらの行末って何なんやろ? 認知症? デイサービス?
歩行器? 車椅子? 寝たきり? 癌? 終末医療? 老衰? 痴呆?
なんと素晴らしい多様性の未来が待っているのではないか。
ところでやつがこんなに元気やったら、わしらも安心して帰りに一杯やれるなあって
そっちに気持ちが向いている。

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ありがとうございました。