映画、「日の名残り」

先日、紹介しました沢木耕太郎の「世界は使われなかった人生であふれてる」という本の中で、「飛び立つ鳩を見送って」というタイトルで映画、「日の名残り」が紹介されていました。
これは、カズオ・イシグロの原作をつい最近読んだばかりなので、特に興味を持ちました。
旅の途中で読んだので、中国の田園を巡る旅が、この中に出てくるイギリスの美しい田園風景と重なって、快い記憶を残して家に帰りました。この本が映画になっているとは知らなかったのです。
それで、早速、レンタルビデオを借りに行きました。
執事というイギリスでは滅び行く職業の人。孤独の中でその誇りをまっとうしようとする執事をアンソニー・ホプキンスが好演しています。
踏み込もうとする女、踏み込ませないで、自分の距離をかたくなにまもろうとする男。
美しい田園を旅する男の静かな回想の中で、男の側の使われなかった人生のようなもの。女の側の使われなかった人生のようなもの。
それぞれが、切ない痛みのように思えるときもあります。
エマ・トンプソン、アンソニー・ホプキンスすばらしい大人の演技です。
今日は、私の使われなかった人生を静かに思う事にしましょう。

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でも、この写真は、実は、使われなかった人生というよりは、使いすぎているかもしれない人生の一幕なのかもしれません。

毎週木曜は映画、音楽、書画の話です。