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最近読んだ本、「風に立つ」、「ほとんど記憶のない女」。

「風に立つ」 柚月裕子 著 あじあん 「俺は親父のことを何もわかっていないのかもしれない」 小原悟は南部鉄器を作る鋳物工房「清嘉」の職人。 親方が父、孝雄、林健司という悟が生まれる前からの職人もいる。 昔ながらの頑固な職人たちの世界。 ある日、異変が起こった。 父が突然、少年春斗を預かるという。 問題を起こした少年を家庭裁判所から補導委託として一定期間あずかるというのだ。 何のために、何でわざわざ […]

最近読んだ本、「ロブスター」、「ノイエ・ハイマート(NEUE HEIMAT )」

「ロブスター」。 篠田節子 著   あじあん 私はここで人生の終着点を見つけてしまった。 この著者の海外を舞台にした作品、いくつか読んできた。 わしは大好きだ。実在する場所かどうかは別にして、なんだか、その地に旅したような、行ったことがあるような気持ちにさせてくれる。 行ったことがあってもなくても、旅好きには楽しいのだ。 ワクワク、ドキドキが増幅される。 今回はオーストラリア。 寿美佳は […]

最近読んだ本、「鏡花 幻想譚2 海異記の巻」、「TOKYO REDUX 下山迷宮」。

「鏡花 幻想譚2 海異記の巻」 泉鏡花 著   あじあん 「娘は叶い難い人を思うて、焦がれ死になくなりました」 ああ、誰に見しよとて紅鉄漿つけよぞ、娘は叶ひ難い人を思うて焦がれ死になくなりました。誰を何う慕うたか分かりませんけれども、此の兎には思うことを皆打ち明けてあると申しておりましたに因って、お手許に飼って置かっしゃることなれば、永い中に、どんな夢枕に立って、あなた様、面白いか、嬉し […]

最近読んだ本、「リスボンのブック・スパイ」、「記憶の対位法」。

「リスボンのブック・スパイ」 アラン・フラド 著。 あじあん 「第二次大戦下のヨーロッパで敵国の書物を収集せよ」 マリア・アルヴェスはニューヨーク公共図書館のマイクロフィルム部で働いている。 ある日、同僚ロイがIDCに応募したら選ばれたという。 私も行きたい。いや、私こそがやるべき仕事。 組織に猛アタック。しかし、アイヴィーリーグの学位のある候補者だけが対象であると冷たく断られた。これで挫けるわけ […]

最近読んだ本、「奇のくに風土記」、「水棲生物 水の底のアフリカ」。

「奇のくに風土記」 木内昇 著。 あじあん 若き本草学者の不思議に満ちた生きものとの出会い――心震わせる時代幻想譚。 紀州藩に明君あり。 徳川治宝、第十代藩主である。 政治、経済、文化、あらゆる面で豊かに花開かせた人であると言う。 伊達千広と言えば、陸奥宗光の父、経済改革で大活躍したらしい。 その時代。 山野を歩き回り、草木と話ができる。 天狗と話ができる。 そんな若者がいた。畔田十兵衛。 和歌山 […]