九度山暮らしのある日、手術後半年経った後−03、田舎から都会に出るのも気を遣う。

田舎から都会に出るのも気を遣う。

九度山くらしで良いことはたくさんあるけど、悪いことも無いではない。
その一つは交通が便利ではないということだ。
たいてい用事があるのは都会やから電車にのって出て行かんとあかん。
電車には前からいくらでも乗ってたんやけど、じっくり乗ると気になることがたくさんある。
時と場所が変われば事情も変わる。
例えば、高野線も極楽橋と橋本の間はとてもローカルだ。1時間に2本くらいしか走ってない。
お客も少ない。それでも朝晩の通勤通学時間帯には結構人で埋まってる。
そんなときとても気になるのが、特に学生、2人がけシートに座って、カバンや荷物を
ドンと隣の席においている。2人がけの椅子にすわった学生はほとんど全てだ。大人も
そういう人がいてる。
空いてるんやったらええんやけどだんだん混んできて立ってるひとが多くても平気だ。
言われたら荷物をどけるつもりはあるんやろけど、これではあんまり品がない。
若い頃からこういう品のなさやったら先が思いやられる。とくにこの路線は海外からの
旅行者が多い。そういう人たちの前で日本の若者の品のなさを見せて欲しくない。
とても残念だ。
そういえば、先日、新潟に旅行したとき、やはりローカル線に乗ったら、ちょうど学生さん
たちの下校時刻とぶつかったみたいでやはり車内は2人がけシートをすべて1人で占領してる
という状態だった。あかんなあ。ここでも品がない。
日本の教育は相当レベルが低下してしまってるんとちゃうやろか。
もちろん、すぐさま席を空けてもらった。
学生さんだけではなくて、いろんな人がいろんなシチュエーションでこういう
思いやりのない行為をしてるのをみるととても気になる。
自分だけ偉そがる気持ちはないけど、席だけではなくて他人を労る気持ちを
誰もが忘れんようにしたいもんだと思う。
最近電車に乗ったら結構空いてることが多くなった。
上記の現象はないことはないんやけど、それで困る人がほとんどいなくなった。
これはコロナのせいだ。
こっちはこっちで困ったもんだ。
マスクが効くかどうは別問題としてほとんど誰もがマスクをしてる。
してないと肩身が狭い。
それよりは手すりや吊革を触らんほうが大事やとは思うけど、いまのとこちゃんと
我が身をまもる術がようわからん。
電車に乗ってるとええことを見る時もある。
年寄りや体の悪そうな人に席を譲る人は結構多い。もちろん寝たふりする人も多いけど。
盲人の道案内をする人は最近あんまり見なくなった。
車椅子の人が階段を上がる手助けをするのもほとんど見なくなった。エレベーターや
エスカレータなどが充実してきたんやろか。それはええことやけどまだまだバリアフリーの
世の中には程遠い。
荷物を忘れそうになった人に教えてあげる親切な人や、棚への上げ下ろしを手伝って
あげる人が多い。
道を聞かれたら親切に教えてあげるけど、外国人には話しかけられないよう微妙な
表情をしてる人がおおい。でも最近はスマホのおかげで道を聞かれることはほとんどない。
電車の中から写真を撮る人はあんまりいてないけど、外から電車を撮るひとたちは
かなりよく見かける。撮り鉄って意外に多い。
そういえば、先日、たまたま電車の一番前の席にすわってたら、わかものが運転席の
後ろまでやってきて何をするんかと思ってたらスマホから電車の進行方向をずっと
動画撮影してはる。それも30分以上もずっとやってはる。田舎道になりかけたとこで
降りて帰りはった。

わしらには見慣れた何の変哲もない風景でも鉄っちゃんには絶景やったんかもしれん。
それにしてもスマホのデータ保存サイズがでかくなったんやと感心した。
なにやらとてもとりとめのない話になった。
田舎から都会にたまにタラタラと電車に揺られる暮らしはとても体にいいのではないか。
現役時代に飲み会で飲み過ぎてぐっすり寝てしまって、何度も同じ駅をいったりきたり、
そんな暮らしよりははるかに健康的だ。

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ありがとうございました。