京都、「わらじや」のうぞうすい

谷崎潤一郎に、「陰翳礼讃」というエッセイがある。 もともと日本人の家屋や暮らしは仄暗い灯りの中にあったということを書いている。 日が暮れたら、蝋燭や行燈の光の中にほのかに見える部屋のたたずまいがあって、 その微妙な色合いが美しいと書いているのだ。漆塗りの食器などの微妙な艶めかしさなどは こういう光の中でこそ味わえるということなのだ。 その中に、「わらじや」が登場する。書中には「わらんじや」となって … 続きを読む 京都、「わらじや」のうぞうすい