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蘇州古園の旅ー18

蘇州古園、滄浪亭
蘇州の作家、沈復という人の「浮生六記」という本がある。
哀しい物語りだ。
風流や文学をこよなく愛する若い夫婦が、才能もあるし、人もいいし、努力も一杯するのに
どうしても報われない。
どんどん、どんどん不幸になっていく。最後は愛する妻が病気になって、薬を買う金もない。
死んでしまって葬式をだす金も無い。
そんなに落ちぶれても、美しい景色を愛でて、詩を読む心はなくしていないというような
話の中で、蘇州の滄浪亭の事が出て来る。
二人が知り合ったころ、滄浪亭について語り合う話。ついにはその近くに住んでしまう話。
妻が死ぬ前に訥々とその想い出を語る話。
こういうのを読んでいるとどんどん想像が膨らんでしまう。
美しい自然の中に、ひっそりとしかも趣味良く設えられた庭園があって、真ん中に池が
ある。池を廻って庭園を散歩していたてちょっと疲れたら、詩人や文人の侘び住まいのような、
又は日本の茶室のような簡素な東屋が現れて、そこで一休みして茶を飲み詩を作る。
こんな感じだ。
「ここだよ」
意外に小ぢんまりしている。
門の前に堀がある。この景色が素晴らしい。後でゆっくり見よう。
まず中に入ろう。
想像とはちょっと違って、湖の畔に建てられた書院といった感じだ。
昔から何代も変遷しているだろうから、元々どんなだったかはわからない。
建物もかなり修復されている。しかし、盤水門のようにあざとく新しくはない。
良い感じは残したままだ。邸内も小さくて直ぐに周り尽くしてしまうほどだ。
「壁のこの字はええやろ」と篆字を指さす。
「この滄浪亭記の写しは○○やで、蘇州では有名な人や」
だんだんと老師の想い出が蘇ってきた。